【2】心に効く、さまざまな漢方薬

加味逍遥散（かみしょうようさん）疲労しやすい、手足がだるい、めまい、肩こりなどがあり、いらいら、怒りっぽい、不眠、動悸、息苦しい、月経不順といった体質の方に、よく使われる処方です。この漢方薬には１０種類の生薬が配合されています。その中でも薄荷（はっか）は、ハーブでいうミントです。この他、芍薬、牡丹皮...

甘麦大棗湯（かんばくたいそうとう）ヒステリー、精神興奮、狂躁状態に使用されてきた処方です。小児および婦人の神経症、不眠症、夜泣き、ひきつけなどに主に使われてきました。女性のうつ、不安、パニック、PMSなどに応用されている漢方処方のひとつです。女神散(にょしんさん）のぼせとめまいがあり、不安、動悸、不...

香蘇散（こうそさん）平素から胃腸が弱く、普通の風邪薬が飲めない人に使われてきた風邪症状に対する処方ですが、これ以外に、精神不安、不眠、めまい、抑うつ症、食欲不振にも効果があります。これは、香附子（こうぶし）、蘇葉（そよう）が配合されていることで、精神を安定させる作用があるためです。胃腸機能を整える陳...

温経湯（うんけいとう）は、女性によく使われる処方です。不妊、月経不順、月経痛、月経過多、更年期障害などの女性の生理に関連した異常を整える漢方薬です。精神面での不安定も、温経湯を使用してホルモンのバランスを整えると、月経不順や月経困難などが整うと同時に不眠や神経症も改善されます。漢方の古典「金匱要略（...

膀胱炎様症状が出たときには、腰から下を温めることが大切です。下腹部に湯たんぽやカイロを服の上からはったり、入浴して半身浴を行ったり。体温があがると免疫力もアップします。薬局で買える漢方薬で膀胱炎に効くものは「五淋散」です。冷えるタイプに使うのが「五淋散」（ごりんさん）です。他に「猪苓湯」（ちょれいと...

反鼻とは、マムシのことで、動物生薬の代表です。漢方に使われる生薬のほとんどは薬草ですが、中には動物由来のものもあります。ハチの子（ハチの幼虫）、海馬（タツノオトシゴ）、土鼈甲（スッポン）、反鼻（マムシ）がその代表です。これらの動物生薬の作用は、腎の気を補うことを主としています。漢方医学でいう腎の気と...

女性はホルモンバランスが崩れると、イライラしたり落ち込んだり、メンタルが不安定になります。それが、ひどい状態が、更年期障害や若年性更年期障害であり、うつ状態になったり、適応障害や社会不安障害になったり、さまざまなメンタルの不調を併発します。若年性更年期障害は、まだ２０代、３０代の若い女性に生理不順や...

耳鳴りがおこるのは、最初に生活習慣の乱れがあってのことです。過食や偏食、そして食べすぎによる肥満、運動不足、睡眠不足、そして過度のストレスなどがきっかけになります。すると動脈硬化がおこり、耳などの抹消の血流も低下します。脳血管の動脈硬化で、脳梗塞がおきると、耳鳴り、めまいがでることもあります。耳の血...

『神農本草経』は、「蜂子(ホウシ)（蜂の子）」をアンチエイジングによい生薬の中の「上品」と定めています。これは薬用人参や霊芝などと並んで、ハチノコは、不老長寿を目指す上で重要な生薬だということです。耳鳴りをきっかけにして、ハチノコを摂取するようになった人の多くが、この滋養強壮の働きを実感しているよう...

漢方には腎虚という概念があります。腎虚の病態に陥ると、腰痛や下肢痛また足のしびれなどの自覚症状が出ると漢方医学では考えられています。このような病態に投与されるのが、有名な牛車腎気丸（ごしゃじんきがん）という漢方薬です。これは十種類の生薬を配合した処方で、腰痛にしばしば用いられています。こうした漢方の...

漢方といえば効くのに時間がかかるというイメージがあります。しかし、風邪にも多数の漢方処方が使われ、即効性があります。小青竜湯は葛根湯と並んで頻用される漢方処方のひとつです。葛根湯（かっこんとう）は、漢方薬の代表とも言われる処方で、風邪の初期に用います。風邪の引き始めで、寒気、頭痛、肩凝りがあり、首の...

カテキンのダイエット効果については知られてきていますが、カテキンはガンを予防し、血管の老化を防いでくれる健康成分です。緑茶に含まれるカテキンの効果は、癌の予防やダイエットに活用されています。メタボや動脈硬化予防に日本のお茶はすばらしい効果があります。静岡県などお茶の生産地では癌の死亡率が低いことは有...

松はマツ科の常緑高木で日本で代表的なものはアカマツとクロマツです。松葉は松毛・山松須・松針などと呼んで薬効が高く、中薬大辞典に効能が記載されています。林羅山が幕府に献上した『本草網目』には、「松を服すると強壮になり、歯を固め、目や耳をよくし、瘡を治し、久しく服すれば身軽く、不老延年となる」と記載され...