うつ病はなぜ増えたのか?
日本人のうつ病の生涯有病率は6.7パーセントです。
100人いたら、7人は一生のうちに一度は、うつ病を発症する計算になります。
統合失調症ではこれは、1パーセントですので、うつ病はその七倍ということです。
うつ病など気分障害に分類されるメンタル疾患が年々増加しています。
うつ病はその中でも特に多い病気で、増加しています。
1996年には20万7000人であったのが、2008年では70万4000人に増えています。
これは病気そのものが増えただけではなく、診断の方法の変化にもよっています。
国際的な診断基準では、二週間連続してうつ症状があれば、うつ病と診断されます。
製薬会社のキャンペーンもあって、うつ病の診断が増加、抗うつ剤が売れています。
体がだるく疲れやすい、夜なかなか眠れない、食事が進まず味もしない、物忘れが激しくなった、
といった症状が二週間続けば、それだけで、うつ病に診断されるのです。
年間約7000人がうつ病で自殺している
平成21年の自殺者は32845人で、うつ病での自殺は6949人、統合失調症での自殺は1394人です。
そして経済生活での自殺は8377人です。家庭問題での自殺は4117人です。
勤務問題での自殺は2528人です。男女問題での自殺は1121人です。
このデータをみる限り、自殺の大きな原因に日本国の経済が低迷していることが影響しているようです。
うつ病も経済的な不安がからんでいるかもしれませんので、あわせてみると、
約15000人つまり半分が日本の経済低迷が原因で自殺しているのかもしれません。
ちなみに平成20年は、自殺者総数が32249人で、うつ病では6490人、統合失調症では1368人、
そして経済問題では、7404人が自殺をしています。
さらに平成19年をみると、自殺総数が33093人で、うつ病の自殺が6060人で、
統合失調症の自殺は1368人で、経済問題では7318人が自殺をしています。
日本ではかつて、14年連続して自殺者が年間3万人をこえていました。
そして健康問題においては、うつ病での自殺がトップです。
統合失調症などのほかの精神疾患をおおきく引き離して、うつ病による自殺がトップにたっています。
しかし、一方で通院すれば自殺を防止できるというデータは出ていません。
その後、自殺者数は三万人を切りましたが、割合は同じような比率で推移しているのです。