効果について

漢方薬の効果については、効くまでに時間がかかるというイメージがあるようです。しかし、体質にぴたりと適合した処方を選択すると、効果は意外に早く現れます。風邪に対する漢方処方の場合、適合した処方さえ選択されれば、早ければ２０分程度で効果が出てくることもあります。慢性疾患に対しては、一週間ないし二週間で効果が実感できることが多いです。しかし、病気の種類や症状によっては、一か月以上の服用でようやく改善してくるものもあります。

主治医とコミュニケーションをとりながら、最適の処方を選択すると良いでしょう。ある一つの漢方処方を服用した場合の反応の仕方が、別の漢方処方を使用する決め手になる場合があります。この繰り返しで何度目かで最適な処方に決定するケースもあります。鍼灸治療の場合、効果の判定はその場でなされることが多いです。最適な経穴への鍼灸治療がなされると、痛みなどの症状がその場で軽減されることが多いのです。しかし、鍼灸の場合、効果の持続が長期には及ばないことが多く、複数回の通院でようやく安定してくるものです。信頼できる鍼灸師を見つけて、じっくりと通院することが肝要です。また、漢方と鍼灸を併用することで、効果を早く得ることができます。

エビデンスに基づく疾患別クリニカルマッサージ 評価と治療